人気ブログランキング | 話題のタグを見る

私の辞書になかった言葉

以前あるパーティーでハンサムな長身の男の子と話をした。顔は国籍不明。でもきれいな日本語を話す。お母さんは日本人、お父さんはアメリカ人で、お母さんから日本語の教育をしっかり受けていた。日本語をほめると、「でも語彙が足りなくて・・・」と恥ずかしそうに言った。「えっ、ご、ごいって、ボキャブラリーのことよね」夫と顔を見合わせた。今の日本の若い子達は果たして語彙という言葉を知っているだろうか。彼の日本語は語彙も豊富に違いない。

こちらに来て、私の英語の語彙の貧しさには日々嘆かわしく思っている。本を読んでも、新聞を読んでも、テレビを見ていても知らない言葉だらけ。語彙を増やすには、地道に努力を重ねていくしかない。

でも、もちろん日本にいたときよりはかなり増えてはいる。ほんの5年くらい前のことで、今思い出しても失笑してしまうことがある。
当時、私は医療機器関係の技術者として働いていて、ある時スタンフォード大学の教授と話をする機会があった。彼の英語はいわゆる頭のいい人の英語で、話す相手によって使い分けができる。私に対しては、実にわかりやすい英語で話をしてくれた。学会出席のために東京から名古屋に向かう新幹線の中で、仕事、本、映画、食べ物、いろいろな話に花が咲き、ずっと話しっぱなしだった。その中で、私は彼の口から発せられたscareという言葉の意味がわからなかった。彼はその意味を丁寧に説明してくれた。

考えてみれば私の英語は、論文を読んだり技術的な話をするためのもので、理科系の英語だった。仕事相手の外国人と頻繁にメールのやり取りをし、たまに話す機会もあったし、同じ職場に外国人がいたこともあった。でも、be scared(怖がる、恐れる)という言葉に触れる機会がなかったのだ。こちらに来てみるとこの言葉は頻繁に耳にするし、自分でもよく使う言葉だった。

「私の辞書にscareという言葉はない。」などと言うとかっこいいが、実際知らなかったのだから笑ってしまう。まさに、怖いもの知らずとはこのこと。
Commented by pataponm at 2009-02-26 14:29
そういうことって、ありますよね。英語の絵本なんか読むと、知らない言葉がいっぱい。earlobe(耳たぶ)、tadpole(おたまじゃくし)なんて言葉を辞書で引いては「これじゃ、アメリカの幼稚園生と話ができないな・・・」と思っています。しかも、そういう言葉は、受験生のバイブル、旺文社の「TARGET1900」には載っていないんです!
あ、でも、scare は、「常に試験に出る重要単語700」の章に出てました~(^。^)/
Commented by tamayakko-vc at 2009-02-27 03:09
きっと私も受験生のころには知っていたんでしょうね。使わないから忘れていたんですね。
アメリカから来た技術者で「くま」とか「ぞう」とか、動物の名前をよく知っている人がいて聞いたら子供向けの絵本で日本語を勉強したんですって。彼は日本語の日常会話は全くできませんでした。くまを知っていてもねえ。。。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by tamayakko-vc | 2009-02-25 23:54 | 言葉 | Comments(2)

風のたより

ニューヨークから戻ってきて、札幌に引っ越しました。


by ココ