タイムズスクエアのカオス
2010年 03月 25日
タイムズスクエアは斜めに走っているBroadwayと7番街が交わる場所にある、実際にはスクエアではなく三角地帯。去年からBroadwayの一部にテーブルと椅子が置かれ、ゆとりのスペースができたが、いつ来ても、人、車でごった返している。さまざまな国からの観光客、タクシー、長ーいリムジン、路線バス、行商人、観光バス、リキシャ、馬車、警察官、屋台・・・いつもここに来るたびにカオスchaosだと思う。
タイムズスクエアで写真を撮ったりしていてちょっと遅れて教会に着いた。教会の中は外の喧騒とは裏腹に静寂に包まれている。
一番後ろの空いていた席にすべり込む。となりはカール。弾いていて、あれ?と思った。ひょっとして女性は私1人だけ? イアン、ロン、ベン、カールそして私、トップのシャンダが後から来て加わるまで、チェロの女性は私だけだった。珍しい。
今回の演奏会の曲目は、
Busoni: Orchestral Suite No. 2 ("Geharnischte")
Dembski: "Raven-year"-- World Premiere/NYRO Commission
Bruch: Scottish Fantasy
この日はブルッフとDembskiの練習だった。ブルッフはバイオリンのソロイストが来ていて、Dembskiは作曲者が来ていた。ブルッフは楽しかったが、Dembskiは・・・この曲は隣りの人と思わず顔を見合わせてため息をついたり、無言で肩を叩き合ったりしてしまうような曲なのだ。
カールと隣同士で弾くのは初めてだが、楽しかった。カールはリバーサイド合唱団のメンバーでもあり、難しいリズムをタリラリラリランと軽やかに歌ってみせる。そういえばトップのシャンダに「お願いだから歌わないで」とよく言われていたっけ。カールは前回のコンサートには出演しておらず練習で会うのは久しぶりだった。「今日が私、最後なの。もう日本に帰るの」と言うと、「オー、ノー!」ととても驚かれた。「今までどうもありがとう」とお礼を言うと、「ドウイタシマシテ」 むむ、日本語しゃべれたのね。
Busoniをやるかと思って楽しみにしていたがやらなかった。前の練習でこの曲をやったとき、指揮者のDavidが「カオス(ケイオス)を楽しんでくれ」と言っていたが、まさに各人が勝手なことをやる、カオスのような曲なのだ。カオスのタイムズスクエアで、カオスの曲をやる、うってつけ。
練習の後、指揮者のDavidに挨拶してハグ、「いつでも戻ってきて」と言われた。チェロのトップのシャンダとハグしお互いに"I’ll miss you"と言い合った。思えば、私はこの4年間まじめに通って一所懸命弾いてきた。NYROのチェロを引っ張ってきたという自負はある。
マルグリートからのメールの中で、"NYRO won’t be the same"と書いてあって、しみじみ嬉しかった。
4年間、ありがとう。
これから、タイムズスクエアのカオスと、それとは対照的に静寂につつまれたこの教会のことをたびたび思い出すことだろう。
2010年3月18日(木)
先生は「よろしくお願いします。の英語の言い方がないのは困る」とも言っています。在日20年、半分日本人になってる先生なんです。
それにしても、離陸秒読み段階?なのに、意欲的に更新してますねぇ。ノートパソコンで、空港でも更新しそうな勢いですね。
再会のときを、心待ちにしてますよー。I miss you!!
そういえば、ロンドン初日に着いて改札で紳士に「After you」と言われも感激した。
再会のとき、私も心待ち待ちしてますよお。私の方の状況はなにも変化なし。
お別れで食べた銀座の豆腐店、覚えてる?もう、なくなっちゃったのですよ。
今の心境は、I miss Japan. I'll miss New York. です。
でもマルグリートとお別れしたときはお互い何も言えず、ただハグしただけでした。ちょっと泣きました。
After you も、ステキな紳士に言われると(ステキじゃなくても)うれしいですね。こちらではレディーファーストが徹底しているので、この点は日本に帰るのがイヤですね。せっかちなオジサンが多いから。
豆腐、ステキなお店がなくなってしまって残念。鶯谷の笹乃雪は健在かしら。京都の豆水楼も美味しいですよ。私は美味しい蕎麦と豆腐には目がないのです。ニューヨークでも美味しい蕎麦と豆腐が食べられましたけど、やはり本場で食べなくちゃね。I miss Japan!