人気ブログランキング | 話題のタグを見る

シュニッツェル

夫に「夕食は何がいい?」と聞くと、大体「シュニッツェル」または「ミラノ風カツレツ」という答えが返ってくる。いつもそう答えるので、こちらとしては聞く意味がない。「シュニッツェル」と「ミラノ風カツレツ」は同じようなもので、夫の大好物なのだ。

シュニッツェル_f0182885_13304526.jpgシュニッツェルもミラノ風カツレツも仔牛の肉を薄く延ばしてパン粉をつけて揚げ焼きにしたもので、シュニッツェルはウィーンの名物料理になっている。私たちはどちらも旅先の本場で味わったことがある。

ヴィーナー・シュニッツェル→
(ウィキペディアより)



昨日の日経新聞にシュニッツェルをウィーンに伝えたのはかの有名なラデツキー将軍であるという噂があると書かれていた。オーストリア軍の重鎮ラデツキー将軍は晩年イタリア方面の総督になり、ミラノで味わったカツレツをウィーンに持ち帰り広めたとのこと。15,6世紀に伝わったという説もあるが、ルネサンスの時代にこのような多少手のかかる料理が広まったとは考えにくい。その当時に伝わったのかも知れないが、広まったのは19世紀以降なのだろう、きっと。ラデツキー将軍その人がどの程度関与していたのかわからないが、イタリアに駐屯していたオーストリア軍が本国に戻って伝え広めたというのは信憑性がある。

1848年イタリア人の総反乱に対し武力で鎮圧したラデツキー将軍は、当時82歳だったそうだ。この時にヨハン・シュトラウス(父)が作曲したのが、かの有名なラデツキー行進曲。ウィーンを代表する曲と料理がこの老ラデツキー将軍に縁のものということになる。

いずれにしろ、シュニッツェルはミラノ風カツレツが伝わったもので、シュニッツェル=ミラノ風カツレツだったのだ。

ちなみに、ミラノ風カツレツというと日本では衣にチーズを入れたり、トマトソースを添えたりすることがあるが、本場ミラノではトマトやチーズを使うことは絶対にないそうだ。


シュニッツェルはイスラエル料理の一つにもなっている。イスラエルの代表的な食べ物はフムスとシュニッツェルというくらい。イスラエルのシュニッツェルは鶏か七面鳥を使うとのこと。

さて、我が家のシュニッツェルは・・・日本では仔牛の肉は殆ど見かけないので、豚肉か鶏を使う。仔牛の肉は薄いピンク色で、牛肉よりも豚や鶏の方が近い。ニューヨークにいた時仔牛の肉で作ったこともあったが、私は豚や鶏の方好き。
最近は鶏の胸肉で作っている。まあ、ただのチキンカツだが、ちょっと違うのは肉を薄めにすることと、肉の下味に塩コショウの他ににんにくを使うこと。これはゼイバーズ(NYの近所にあった食料品屋さん)のおかずコーナーでたまに買っていたミラノ風チキンがにんにくが利いていて美味しかったから。

我が家のシュニッツェルは・・・鶏で作るから、イスラエル風?  ミラノ風? でもそもそもシュニッツェルは"ミラノ風"なのだし・・・ニューヨーク風ということにしておこう。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by tamayakko-vc | 2011-02-28 13:35 | | Comments(0)

風のたより

ニューヨークから戻ってきて、札幌に引っ越しました。


by ココ