ベートーベンのカルテット
2011年 09月 05日
Op.132,
Op. 74 「ハープ」、
Op.59-1「ラズモフスキー」
を弾く機会があった。
メンバーは3曲とも異なる。ファーストバイオリンの人が事前に曲を提案することになっていて、偶然にもお三方ともベートーベンをご提案、しかもどれも大曲。引き受けはしたものの、楽天的な私もさすがにあせった。まともにやったことがあるのはラズモフスキーの1番のみ。132は大好きな曲だが、やったことはなく、楽譜も持っていない。ハープは遊んだことがある程度。持っていない132の楽譜を送っていただき、3曲とも私には珍しく必死で練習した。
ベートーベンのカルテットというと、思い起こす四重奏団が3つある。
アルバンベルクとオライオン、そしてボロメオ。
いずれもニューヨークで聴いた。
アルバンベルクのニューヨークでの最後の演奏会、Farewell concert のメインが132だった。132を含むアルバンベルクのベートーベンのカルテット集は私の愛聴のCDで、その中でも132は大好きな曲。
ちなみにこのアルバンベルクのコンサートは私と夫がニューヨークで聴いた数多くのコンサートの中で、文句なしに1番のコンサートだった。今でも古い木造の会場に響き渡った完璧なハーモニーを思い出す。頂点でやめてしまった彼らの美学もすばらしいと思う。
ボロメオカルテットはリンカーンセンターのアリスタリーホールで聴いた。ベートーベン3曲のプログラムで、ラズモの1番がメインだった。素晴らしい演奏だった。
そして、オライオン。私が大・大・大好きなカルテット。
日本ではあまり知られていないが、ニューヨークでは一番人気のあるカルテットだと思う。日本でも有名なエマーソンよりうまいし人気がある。オライオンを聴いてからというもの、それまで度々聴きに行っていた東京カルテットを全く聴く気がしなくなってしまった。
オライオンのコンサートで聴いたベートーベンは129だった。まるで別の曲のように感じたことを思い出す。また、オケの友達のマルグリートからもらったオライオンのCDはベートーベンの曲集で、今回演奏したハープとラズモの1番が入っている。今回、このCDを繰り返し聴いた。オライオンのベートーベンもどれも素晴らしい。
さて、今回の室内楽の会での演奏・・・
ベートーベンのカルテットは、どれも難しいし、弾くのが大変。つい熱くなり、技術的に追いついていなくて空回りしてしまう。
でも、ベテランの皆さんに支えられ、どの曲もとても楽しんで弾くことができた。
ベートーベンは大変だけど、やっぱり、楽しい!