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お題は「ロシア」

私が入っている弦楽合奏団、毎回コンサートでやる曲目はなんとなく国別になっている。去年の秋の演奏会はベートーベン、ワグナーなど「ドイツ」ものだった。夏の演奏会は「デンマーク」。そして、今回12/10の演奏会のテーマは「ロシア」だ。

プログラムは下の通り。
ラーコフ  シンフォニエッタ ト短調
ショスタコーヴィチ  アダージョとアレグレット
グラズノフ  主題と変奏
タネーエフ  弦楽五重奏曲 ト長調


いずれも聴いたこともない曲ばかり。作曲者もショスタコーヴィチ以外はなじみがない。
どうして、このようなプログラムになるのかというと・・・
指導者のN先生と、隠れた名曲の発掘を趣味とする団員のIさんのお陰。

毎回指導者のN先生が「お題」を唱え、それに従ってIさんがいくつか楽譜を持ってきて、それを皆で試奏して決める。

今回のお題は「ロシア」。
以前サンクトペテルブルグに住んでいたこともあるIさんは、喜々としてたくさんのロシアものの楽譜を持ってきた。

それらを試奏して、4曲を選んだ。
どの曲も弾くのも面白くて、いい曲。
最後のタネーエフはチェロ2本の弦楽五重奏曲を弦楽合奏で弾くが、低弦が活躍する大曲だ。

お題は「ロシア」_f0182885_23371167.jpgところで、グラズノフの「主題と変奏」もやりましょう、ということになってどれがその楽譜だったのか、なかなかわからなかった。
だってこんな楽譜なのだ→ 
Глазуновがグラズノフ????

それにしても、こんな切り貼りの手作り楽譜、いったいどこから見つけてきたのか・・・
Iさんは、時には楽譜を自ら手書きすることもある。楽譜を揃えるだけでも大変なことと思う。


指導者のN先生は斉藤秀雄の愛弟子のチェリスト。弦楽器のもつ豊かな音色、表現力を最大限引き出そうと指導してくださる。練習は楽しくて笑いが絶えないが、要求は厳しい。とにかく音を出せ!!と言われる。もう限界、と思っていると、「顔変えて!」。必死の形相で弾けば、力量不足でもお客様には気持ちが伝わるかもしれない。

タネーエフの楽譜の中に「au talon」という指示がでてくるが、これは弓の根元で弾けということ。「もっと汚い音出して」。皆が思いっきり弓の根元で汚い音で弾くとかなり迫力がでる。

時々「ロシア語しゃべって~」とも言われる。ロシアの音楽だから日本語にはないロシア語のリズム、イントネーションで弾かなくてはいけない。音楽は言葉でもあるのだ。
と言われても、ロシア語なんて片言しかしらないが・・・・

かと思うと、ピアニシモのピチカート(弦を指ではじく奏法)では、「弦を触るだけね、指曲げちゃダメ」、「でも左手はしっかり押さえて」と、技術的にはとても細やか。

毎回練習が終わるとへとへとになる。

でもこういう音楽作りはここでしか味わえない。


ということで・・・
12/10、御用とお急ぎでない方は、是非コンサートにいらしてください。お待ちしています。
詳しくはホームページをご覧ください。
コンサート会場は府中の森芸術劇場ウィーンホール、とても響きのいいホールです。

ちなみに、次々回来年6/3のコンサートのお題は「ラテン」で、Iさんは「イベリア半島で揃えてみました」と、すでにいくつか楽譜を用意している模様。
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by tamayakko-vc | 2011-11-18 23:48 | 音楽 | Comments(0)

風のたより

ニューヨークから戻ってきて、札幌に引っ越しました。


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