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コンセルト・ヘボウ

コンセルト・ヘボウはオランダ語でコンサートホールを意味する。アムステルダムのコンセルト・ヘボウを拠点にするロイヤル・コンセルト・ヘボウ管弦楽団は世界でも屈指のオーケストラだ。このオーケストラの響きを愛する根強いファンが世界中にいる。また、コンセルト・ヘボウそれ自体は音響のいいコンサートホールとして世界的に有名だ。

アムステルダムのホテルに着いて一休みした後、ホテルのコンシェルジュにコンセルト・ヘボウへの行き方とトラムのチケットを売っている場所を聞いた。ホテル近くのカフェで軽食を取り、近くのダム広場からトラムに乗ってコンセルト・ヘボウへ行ってみた。
美しい建物だ。裏へ回ると現代的なつくりになっていて、ボックス・オフィスがあった。
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予め出し物は調べておいた。滞在する3日間とも同じプログラムの演奏会がある。2日目に行くつもりでいたが、ステージ上の席しかないという。3日目も混んでいて、今日だったら前から5番目の席が空いている。ちょっと疲れているけれど今日行くことにした。チケットは60ユーロ。驚いたことにこのチケットを持っているとコンサート当日はトラムもバスもタダで乗れるとのこと。それと館内の飲み物はワイン、ビールも含めてすべてタダ(シャンペンは別)。なんとすばらしい。

街を散策してから一旦ホテルに戻り、夕方早めにホテルを出た。ホテル近くの昼とは別のカフェで軽い夕食。とにかくカフェはいっぱいある。あまり食欲がないのでビールとクロケットを頼んだ。クロケットとはコロッケのこと。俵型のコロッケ1個とパンがでできた。熱々のクリームコロッケがとても美味しかった。

コンサートは8時15分から。トラムに乗ってコンセルト・ヘボウへ向かった。
大ホールは客席が2037、想像していた通り美しい。カーネギーホールと色調が似ている。舞台のつくりが凝っていてきれいだ。舞台上の客席は想像していたよりも大きい。
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プログラムは
Lutoslawski - Pianoconcert
Bruckner - Vierde symfonie in Es 'Romantische'
指揮はMariss Jansons、ピアノはKrystian Zimerman。

Lutoslawskiはポーランドの現代作曲家、ピアニストのKrystian Zimermanもポーランド出身。彼の演奏は初めて聴く。
ピアノとオケの音がとてもきれいだ。と思ったあと意識がなくなった。どうも現代曲は退屈してしまう。時差ボケも手伝って、すっかり眠ってしまったのだ。舞台上の席にしなくて良かった。

インターミッションにタダのコーヒーで眠気を覚ました。クッキーもチョコレートもタダだ。

メインのブルックナーの4番「ロマンティック」は、大学2年のときに弾いて以来だ。
ヤンソンスは出だしに細心の注意を払う。会場が静まり返った後ににやっと指揮棒を上げる。私の後ろの方で咳払いがした。指揮棒を下ろす。再び静寂が戻ったところで指揮棒を上げ、静に振り下ろした。これ以上小さくできないくらいの弦のトレモロが流れ出す。ホルンの静かなソロが響き渡る。弦の響きがきれいだ。曲が次第に盛り上がって、フォルテシモになった。足の下から振動が伝わってくる。久しぶりに心が躍った。
2楽章は冒頭にチェロのパートソロがある。チェロの音色もとてもきれいだ。
眠気を感じる暇もなく身体で感じる響きを楽しんだ。

終わった後は盛大な拍手。何人かが立って拍手している。指揮者がホルンを立たせたところで私も立ち上がって拍手した。前の方に座っていたのでステージの奥の方が見えなかった。ホルンの顔が見たかった。ホルンの美しさは出色だった。最後は総立ちのスタンディング・オベーションになった。

コンセルト・ヘボウは今まで3回聴いたことがある。日本とスイスのルツェルンで、そして作シーズンカーネギーホールで。やはり地元コンセルト・ヘボウでの演奏が一番良かった。
コンセルト・ヘボウ_f0182885_559161.jpg
大満足でコンセルト・ヘボウを後にした。演奏者がバイオリンを担いで自転車に乗って帰るところに出くわした。トラムで帰る人もいる。地元ならではだ。

近くのカフェでビールを一杯飲んでから、トラムで帰ってきた。
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by tamayakko-vc | 2008-09-27 06:16 | 旅~オランダ・ベルギー | Comments(0)

風のたより

ニューヨークから戻ってきて、札幌に引っ越しました。


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