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ヤン・ファン・エイク、ミケランジェロ

ニューヨークのメトロポリタン美術館の別館クロイスターズにRobert Campinの作と言われる受胎告知の絵がある。この絵を一目見て、色の美しさに魅せられた。Campinは15世紀初頭のフレミッシュの画家だ。この絵が1420年代、15世紀初めの作品とはとても思えない。油絵具が使われ始めたごく初期の作品だ。

フレミッシュとは「フランダース地方の」という意味。フランダース地方はオランダ南部、ベルギー北部、フランス北部にまたがっている。15世紀はフレミッシュ絵画が隆盛を極め、イタリアン・ルネサンスにも影響を与えたと言われる。ブルージュはこの頃、フランダース地方の中心都市だったのだ。

フレミッシュの代表的な画家に、ヤン・ファン・エイクがいる。ここブルージュののグルーミング美術館にヤン・ファン・エイクの絵があるというので見に行った。
            ファン・デル・パールの聖母子(1436)
ヤン・ファン・エイク、ミケランジェロ_f0182885_1131930.jpg

やはり色がきれいだ。青いビロードが見事に表現されている。ワシントンのナショナル・ギャラリーにある彼の「受胎告知」に似ている。アメリカが国宝のように大切にしている絵だ。ヤン・ファン・エイクはブルージュに住んでいた。彼はこのブルージュの地ででこういう絵を描いていたのだ。

フレミッシュの画家の絵はブリュッセルの王立美術館に多数ある。Campinの受胎告知のオリジナルと言われる絵も王立美術館にある。今から楽しみだ。

グルーミング美術館から少し歩いたところに聖母マリア教会がある。中に入ってみると意外に大きい。
ヤン・ファン・エイク、ミケランジェロ_f0182885_120116.jpg
ここにミケランジェロの聖母子像があるという。どこにあるのかと探していると、あった。遠くからでもそれとわかる。
こういう像を前にすると厳かな気持ちになる。東大寺の三月堂に入ったときのように。

どうしてミケランジェロの像がこの地にあるのかはわからない。ブルージュが貿易の中心都市として栄えていた証か。フレミッシュ絵画はイタリアン・ルネサンスに影響を与えたと言われるが、はたしてミケランジェロはヤン・ファン・エイクの絵を見たことがあったのだろうか。

フレミッシュ・・・ベルギーだけれどもベルギーではない。ヨーロッパは複雑だ。
夕食を食べたビストロのウェイターに、ここではオランダ語を話すのか?と聞いたら、「No, Flemish」という答えが返ってきた。オランダ語と違うのかと聞くと、「同じだけどフレミッシュだ」。フレミッシュであることに誇りを持っている。

絵の出典:Web Gallery of Art
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by tamayakko-vc | 2008-09-30 12:15 | 旅~オランダ・ベルギー | Comments(0)

風のたより

ニューヨークから戻ってきて、札幌に引っ越しました。


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