ヤン・ファン・エイク、ミケランジェロ
2008年 09月 30日
フレミッシュとは「フランダース地方の」という意味。フランダース地方はオランダ南部、ベルギー北部、フランス北部にまたがっている。15世紀はフレミッシュ絵画が隆盛を極め、イタリアン・ルネサンスにも影響を与えたと言われる。ブルージュはこの頃、フランダース地方の中心都市だったのだ。
フレミッシュの代表的な画家に、ヤン・ファン・エイクがいる。ここブルージュののグルーミング美術館にヤン・ファン・エイクの絵があるというので見に行った。
ファン・デル・パールの聖母子(1436)
やはり色がきれいだ。青いビロードが見事に表現されている。ワシントンのナショナル・ギャラリーにある彼の「受胎告知」に似ている。アメリカが国宝のように大切にしている絵だ。ヤン・ファン・エイクはブルージュに住んでいた。彼はこのブルージュの地ででこういう絵を描いていたのだ。
フレミッシュの画家の絵はブリュッセルの王立美術館に多数ある。Campinの受胎告知のオリジナルと言われる絵も王立美術館にある。今から楽しみだ。
グルーミング美術館から少し歩いたところに聖母マリア教会がある。中に入ってみると意外に大きい。
ここにミケランジェロの聖母子像があるという。どこにあるのかと探していると、あった。遠くからでもそれとわかる。
こういう像を前にすると厳かな気持ちになる。東大寺の三月堂に入ったときのように。
どうしてミケランジェロの像がこの地にあるのかはわからない。ブルージュが貿易の中心都市として栄えていた証か。フレミッシュ絵画はイタリアン・ルネサンスに影響を与えたと言われるが、はたしてミケランジェロはヤン・ファン・エイクの絵を見たことがあったのだろうか。
フレミッシュ・・・ベルギーだけれどもベルギーではない。ヨーロッパは複雑だ。
夕食を食べたビストロのウェイターに、ここではオランダ語を話すのか?と聞いたら、「No, Flemish」という答えが返ってきた。オランダ語と違うのかと聞くと、「同じだけどフレミッシュだ」。フレミッシュであることに誇りを持っている。
絵の出典:Web Gallery of Art